しびれ

しびれ(痺れ)って不思議な感覚ですが、みなさん経験したことありますよね。肘の角をぶつけたりすると腕の前の方にビリビリっとくる感じしょうか?ひどいと、痛みにも感じますし、軽いと痺れと表現されますね。

 

つまり、痺れって、神経が周りから圧迫されたり神経そのものに何かのトラブルが起きて、機能がおかしくなっている状況ですね。一時的に起きてよくなるならいいけど、ずーっと続いていしまったり、ある格好をすると必ず痺れが起きるとなると心配ですよね。

そのような場合には、神経の専門医に診てもらうのをお勧めします。自分も含めてですが、神経外科医である脳神経外科や内科医である脳神経内科を受診することをお勧めいたします。

 

 

原因は多岐に渡るので、痺れを起こす背景=原因=病気にはどんなものがあるのかは、詳しく調べないとわからないですが、ここでは、痺れの場所から分けて、医者が日常経験することが多い病気を簡単に紹介してみます。

たとえば、手に痺れがあるなら、その部分の神経のトラブルが起きているわけですから、痺れが起きている手の神経やら、その神経の行先である、首(頸椎)へいく腕の中の神経、頸椎への入り口、頸椎の中の脊髄、そして、最終目的地の脳のどこかで問題がおきている訳ですね。

 

1.      顔のしびれ

感覚の大元は脳みそですから、脳梗塞などを起こした後には、どちらかの顔半分に痺れが後遺症として残ることはあります。もちろん、脳梗塞など脳卒中の最初の症状として、顔半分や唇の周りだけ痺れるというのはよくあります。

ただ、顔全体が痺れるということはあまりありません。

逆に顔の一部(例えば、右の目の上とか)などの場合は、帯状疱疹エルペスを患った時に起きることが多いです。

 

2.      手にしびれ

脳が原因で手足が痺れるというのは、左右どちらかの腕全体そして足全体もということが多いです。

肩あたりから、腕の方への痺れというのは、頸椎から出る神経のトラブルの可能性が高いです。さらに、肘あたりから手の方(肘より前で外側か内側どちらか)にも痺れが起きることがありますが、これも頸椎からが多いです。この場合には、首の位置、運動によって症状が変化することが多いです。

ただ、神経が手先まで行っているので、頸椎ではなくても神経が道中で圧迫されしびれが出ることもあります。場所としては、肘の部分と手首が多いです。そこで圧迫されると、そこから先だけが痺れますし、また、その部分を叩いたりぶつけたりすると、余計に痺れが出ます(痛みも)。それぞれ肘部管症候群、手根管症候群と呼ばれています。

手の平全体が痺れるとか指先が何本か痺れるとかいう場合は、肘や手首というより、頸椎の中の脊髄がやられている場合が多いです(脳もあり得ますが)。

一方、糖尿病などを長く患っていても、神経障害が出ることがあり、その場合には指先などに痺れが出ることが多いですね。

 

3.      身体のしびれ

身体のしびれって、あまり多くないです。脳卒中で左か体全体が痺れるということがあることはありますが。

身体のある部分だけ帯状に痺れるというのであれば、帯状疱疹が考えられます。もちろん、皮膚科での診察もいいでしょうが、神経の専門医にみてもらうと適切に対応してくれると思います。

 

 

4.      おしりのしびれ

よく「腰が痛い」という方の中に臀部の痛みや痺れという方がいらっしゃいます。そのお尻(臀部)のしびれ、痛みは足の方まで続くことも多く、その場合、坐骨神経痛と呼ばれる状況の可能性が高いです。坐骨神経痛はお尻の奥にあるのですが、痩せていて座位が多い方は、ここに神経痛を起こすことがありますが、多くの場合は坐骨神経痛の大元である腰の骨(腰椎)の中のトラブルで起きることが多いです。

 

5.      足のしびれ

先ほど申し上げた通り、脳が原因で手足が痺れるというのは、左右どちらかの腕全体、足全体ということが多いです。

臀部あたりから、足の方への痺れというのは、腰椎から出る神経のトラブルの可能性が高いです。この場合には、腰の位置、運動、寝方によって症状が変化することが多いです。

ただ、神経は足先まで行っているので、腰椎ではなくて、神経が道中で圧迫などをきたしやすいところもあります。足の場合は、足首の外側が多いです。そこで圧迫されると、そこから先だけが痺れ、歩きにくくなる方もいらっしゃり、足根管症候群と呼ばれています。

足全体が痺れるとう場合は脊髄がやられていることが多く、この場合は両側の足のしびれが多いです(脳もあり得ますが、脳では左右どちらかです)。

先に述べた通り、糖尿病によって神経障害が出ることがあり、その場合には、足先などに痺れが出ることが多いですね。