生活習慣病

生活習慣病はなぜいけないの?

 

生活習慣病って、メタボとほぼ同義語だと思いますが、何がいけないのでしょうか?

この状態を放っておく、つまり同じ生活習慣で生きていき・・5年10年たつと、徐々にですが動脈硬化(血管の中にプラークが溜まってしまうのです)がおきてきちゃう、つまり、つけが回ってくるのですね。そうすると、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞、脳の血管が詰まれば脳梗塞など起こして、命に関わってしまうわけですし、そうでなく助かったとしても、満足いく生活が送れなくなる可能性があります。

情けないハンディを自分のせいで持ちながら暮らしていくのは辛いですよね・・

 

そんな生活習慣病に含まれるのは以下のような病気や習慣です。

・肥満

・喫煙

・高血圧

・糖尿病

・高脂血症(脂質代謝異常)

・痛風(高尿酸血症)

 

ですから、これをしっかり予防したいですね・・・

生活習慣病による動脈硬化は自分に起きているの?

 

自分の動脈硬化の程度って、なんで測ればいいでしょうね。

動脈硬化は大きく分けて、二つのタイプがあります。一つは目に見えるような大きな血管、もう一つは見えないような細い血管(毛細血管)。

 

1. 大きな血管

例えば、体の表面に近い動脈って、首の部分の頚動脈があります。ここは浅いところにあるので、下の図のように超音波(エコー)検査を行えば、血管の壁が硬く厚くなっているとか、血管の中にプラークができてしまっているとか、狭くなって詰まりそうになっているとかがわかります。超音波は目に見える検査ですね。

一方、どのくらい血管が硬いのかは、CAVIという検査があります。これは心臓から出た血液が圧で波打っているわけですが、それが手足に届くときにはどのくらい減っている(減衰している)かを調べます。血管が柔らかいほうが、減衰しやすいので、その程度を平均のデーターと照らし合わせて、自分の血管が何歳に相当するかを知ることができます。

これらの検査は痛くもない検査ですから、いいですね。

 

2. 細い血管

これは観察しようがないのですが、唯一観察できるのが、眼底検査なんです。以下にうちのクリニックで配布している眼底検査の説明をお見せします。

目はよくカメラにたとえられます。目に入ってきた光を感じるところ、つまりカメラのフィルムにあたる所が「網膜」と言うところです(左図)。網膜は目の一番奥にあるので、ここを診ることを「眼底検査」と呼んでいます。

この網膜は、目のすぐ後ろにある脳みそが伸びてきて、目の後ろの部分に広がっているものなのです。つまり、網膜は脳みその出張所です。

この網膜の血管(特に動脈)は非常に細くて細動脈と言われていますが、この動脈を見れば、脳の動脈硬化の具合がわかるわけです。つまり、眼底は生活習慣病などで生じている動脈硬化(これが一番怖いわけです・・心臓や脳の血管を詰まらせてしまうので)を唯一観察できる「のぞき窓」のようなものです。

瞳を広げて正面から見ると、この網膜は左の図のように見えます。細い赤い線のようなものが、網膜の上にある動脈と静脈なんです。この網膜動脈を観察して、動脈硬化の具合を検査します。そして、今までの高血圧や糖尿病やコレステロールやそのほかの生活習慣病をこのままの状況でよいのか判断するわけです。

動脈硬化などの分類(進行度)

医師会では、古くから決められている分類(シャイエの分類)を使っています。これは、眼科の医者のみならず、内科、脳神経外科、神経内科などで共通のものです。

以下に記載しておきますが、動脈硬化の程度と高血圧による動脈における変化をそれぞれ別に分類します。検診などでは、この程度を記載いたします。これが細い動脈、あるいは脳の中の毛細血管の動脈硬化などの指標ですから、内科的な治療が必要か変更するかなどを判断することになります。

分類

細動脈硬化性所見

高血圧性所見

1

S1

動脈血柱反射が増強している。軽度の動静脈交叉現象が見られる

H1

細動脈の狭細が特に第2枝以下において認められる

2

S2

動脈血柱反射に高度増強があり,動静脈交叉現象は中等度となる

H2

細動脈の狭細が著明となり、著しい攣縮を示す口径不動が現れる

3

S3

銅線動脈,すなわち血柱反射増強に加え,色調と輝きも変化して銅線状となる。動静脈交叉現象は高度となる

H3

細動脈の狭細と口径不同が
更に著明となり、網膜の出血・滲出の何れか、又は両者を伴う

4

S4

血柱の外観は銀線状(銀線動脈),ときには白線状になる

H4

上記の第3度の所見に加えて、乳頭浮腫が加わる