高眼圧・緑内障

☆☆☆眼圧とは?☆☆☆

目はピンポン玉くらいの大きさで、ゴムまりのようなものです。その中の前の方(黒目の方)ではお水(房水)が循環しています。この水が循環しているゴムまりの硬さを「眼圧」と呼んでいます。黒目を軽く押したり、風を当てたりして、計測することが出来ます。

 

☆☆☆高眼圧とは?☆☆☆

目の前の部分で循環している水の流れが悪くなると、目の中に水が溜まるものですから、目玉そのものがパンパンになり硬くなってしまい、結果として眼圧が高くなる「高眼圧」になるわけです。

普通の眼圧は21という数字までと言われていますから、高眼圧とは、これより高い状態です。

なぜ、高眼圧は注意をしなくてはならないのかといいますと、眼圧が高い方は「緑内障」という病気になりやすいと考えられているからです。そのような観点から、高眼圧の方は、点眼薬を使って眼圧を下げたり、あるいは、定期的(3カ月おきとか)に検査することをお勧めしています。

 

☆☆☆緑内障とは?☆☆☆

眼圧が高いと、上の図のように、ゴムまりの後の部分にも圧力がかかってしまいやすくなります。目の後ろの部分には、光を感じる網膜と言う「脳の続き」の組織が張っていて、カメラで言うフィルムの役目をしていますが、この脳から目の玉への入り口の「視神経」という部分に、高眼圧では圧力がかかると考えられています。すると、網膜から脳への見た情報が伝わりにくくなるので、結果として、肝心の網膜の機能が損なわれてしまうことになるわけです。

すると、急に目が見えなくなったり、あるいは、非常にゆっくりですが、目の見える範囲(視野)が欠けてくることになります。    

 

左の図の左二つは視野検査の図です。一番左が正常です。真ん中は緑内障の視野検査での結果ですが、実際の見た感じは一番右の感じです。黒くなっているところは見えていないということです。

このようになっても、ゆっくり進みますし、目は普通左右二つあるので、視野がかけていることを気がつかない方もいらっしゃいます。進行してしまい、視野の一番大切な真ん中界隈が見えなくなって初めて気がつく方もいらっしゃいます。

 

実は、この緑内障は眼圧が高くなくても起きてしまうことも多くあることが最近わかってきました。また、大人では20-40人に1人くらいが持っているとも言われています。

☆☆☆検査と治療は?☆☆☆

まずは、眼圧の検査は必須ですが、次には視野が欠けてきている緑内障という状態かどうかを視野検査でみます。これは当院で行う簡単なものから、大きな病院で時間をかけて正確に行うものまであります。さらに、精密に目の奥の視神経と網膜が圧迫で侵されているかをOCTという検査で確認することができます。

 

これらの検査から総合的に判断して治療をするか、経過を追うかを決定します。

緑内障が進行して、視野が大きく欠けてきてしまうと、後でどのようなことをしても戻らないですから、治療の開始は重要なポイントです。

治療はまずは点眼薬を使って、もともとの眼圧をより、さらに下げることから始めます。目標は個人個人で異なると思います。そして、経過は当院でも拝見しますが、定期的に大学病院等で緑内障の専門家によるチェックを受けていただき、点眼薬のみで対応するので良いか否かを判断してもらい、場合によっては特殊な手術を行ってもらうこともあります。

点眼薬は一日1回から2回さすのみですから、慣れれば大変なものではないと思います。また、もしも、1回2回点眼を忘れてもご心配なさらないで下さい。